新たなる物語〜3〜 ―あらすじ― ハヤト宛に送られてきた一通の手紙には、暗号で『明日の昼、荒野に来い』と書かれていた。 それを見たハヤトは<s>リプレの工作によって</s>カシスと二人で荒野に行くことにした。 時間は昼間では少し時間があるという頃、ハヤトとカシスは荒野を歩いていた。 「ハヤトと二人でここに来るのって久しぶりだね〜」 「それもそうだな。確か、俺が召喚されたとこを調べに行ったきりじゃないか?」 そこは、2年前に無色の派閥の乱が始まる原因となった、魔王召喚の儀式が行われた場所で、ハヤトがこの世界に召喚された場所でもある。 「ねえ。あの大穴まで行ってみない?」 突然カシスが言い出した。 「あそこまでか?」 「うん。だって、荒野のどこに行けばいいのか分からないし、同じ荒野なら久しぶりに行ってみるのもいいと思わない?」 「そうだな・・・久しぶりに行ってみるか・・・」 そう言って、二人は歩き出した。 この何気ない会話による決定が後々の運命を変えることになろうとは、今はまだ知る由もなかった。 所変わって、ここは闇が広がる空間。 相変わらず二人を見守る影があった。 「あの二人って本当に運がいいよね。偶然にも、例の場所まで行くことになったんだからね」 けらけらと小さいほうの影が笑った。 「そう笑うな。運ではない。誓約者としての導きの力反応して、彼者を導いている」 「へ〜・・・それじゃあ、あいつの誓約者の力は鈍ってないんだ」 「そうらしいな。ひとまずは第一段階はいいらしい・・・」 大きいほうの影が言うと、小さいほうの影が動いた。 「それじゃあ、準備をしてきますか・・・後はよろしくね」 そういって、小さいほうの影は姿を消した・・・ ハヤトたちは、大穴に到着した。 時刻は、あと少しで真昼という時刻だった。 「うわ〜・・・相変わらずのままだね〜。なつかし〜」 カシスは、大穴を一望できるとこに立って言った。 「当たり前じゃないか。こんなとこにある大穴を誰が修復するんだ?まあ、俺はなくなって欲しくないけどな」 ハヤトもカシスの隣に立って言った。 「なんで?まだ、元の世界に帰ろうとしてるの?」 「もう、元の世界に帰ろうとは思わなって言っただろ。俺の居場所はこっちの世界にあるんだから・・・」 そういって、ハヤトはカシスのほうを見た。 「そっか・・・でも、それじゃあなんで、ここがなくなって欲しくないの?」 「だって、ここはカシスと初めて出会った場所だろ。だからさ・・・」 ハヤトは優しくカシスに微笑みかけた。 すると、カシスはちょっとだけ顔を赤くした。 「そっか・・・それじゃあ、あたしもなくなって欲しくないな・・・」 「ああ、ずっと無くさないでおこうな・・・」 「うん・・・」 めったにないいい雰囲気がいつの間にか出来上がっていた。 でも、それはすぐに壊された。 <font size=5>ぐぅ〜・・・</font> 「あ・・・」 ハヤトの腹がそんな音を立てた。 そのせいで、雰囲気が壊れてしまった。 「なんだかハヤトらしいよ・・・それじゃあ、お昼にしようか」 「そうだな。腹は減っては戦は出来ぬって言うもんな」 ハヤトは、そういって弁当を受け取った。 朝早くにリプレが作ってくれたものだろうと思ってふたを開けると、いつもとはちょっと違う感じだった。 「あれ?今日はリプレが作ったんじゃないのか?」 「そうだよ。今回はカシス特製手作り弁当だからね」 そういって、カシスは胸を張った。 「へ〜・・・かなり楽しみだな」 「うん♪さあ、食べて食べて♪」 「ああ、それじゃあ、いただきます」 そういって、ハヤトはおかずを取って口に運んだ。 「・・・・」 カシスがじっとその様子を見ている。 「うん・・・うまいよ。リプレにはちょっと負けるけど、かなりうまいよ」 「リプレに負けるってのが気にかかるけど・・・よかった」 「ははは・・・でも、いつの間にこんなに料理がうまくなったんだ?この前よりかははるかにうまくなってるぞ」 実は、以前にもカシスが料理を作ったことがあったのだが、その時はとても食べられる代物じゃなかったのだ。 「うん。実はあの後に、リプレに料理を習ってたんだ。最近結構うまくなってきたみたいだから作ってみたの」 「そうなのか・・・結果が出てよかったな。それじゃあ、食べようぜ」 「そうだね」 そういって、二人はいろいろとしゃべりながら弁当を食べていった。 だが、すでに運命は動き出している。 この幸せな時間もそうは続かなかった・・・ 弁当も食べ終わってちょうど真昼になったとき、異変は起きた。 <font size=5>しゅぅぅぅぅぅぅ・・・</font> 大穴の中央に光が集まりだした。 「こ、この光って・・・まさか!!」 「召喚術だ!!」 そう分かった瞬間、ハヤトはカシスをかばって地面に伏せた。 <font size=7>どっっっか〜〜〜〜〜ん!!!!</font> 爆発音の後、辺りは煙で包まれた。 この現象は、召喚術が失敗したときによく起こる現象のうちの一つだ。 「げほっげほっ!!だ、大丈夫か、カシス!?」 「う、うん・・・ハヤトが守ってくれたから何とか・・・そういうハヤトは大丈夫?」 ちょっと顔を赤くしながらカシスは答えた。 「ああ、なんとかな。それよりも、誰が召喚術を使ったんだろうか・・・」 「失敗したみたいだしね・・・それよりさ・・・もういいんじゃないかな、この体勢・・・<font size=1>あたしは別にいいけど・・・</font>」 それを聞いたハヤトは顔を真っ赤にして飛びのいた。 「ご、ごめん。重かった・・・?」 「いいよ。ハヤトが守ってくれた結果がこうなったんだし・・・」 二人が真っ赤になってる間に、霧がはれていった。 辺りは、霧が立ち込める前とは変わってなかった。・・・一点だけ除いて・・・ 「あっちゃ〜・・・失敗しちゃったのかな?」 大穴の中に一人の女性がいることを除いて・・・ 4話に続く おまけ <font color=white>リプレの裏工作2 ―リプレの部屋― 「うふふ・・・成功したかしら?私の『手作り弁当で一気に落としちゃえ作戦!!〜パート1〜』は♪シオンさんの報告が待ち遠しいわ〜♪♪」 前に言ってたとおり、リプレはハヤトたちの尾行をシオンさんに頼んでいた。 最初は嫌がってたシオンさんでも、リプレの<s>脅し</s>頼みによって了解した。 「まあ、数ヶ月前のあの日からみっちりと料理を教えて、<font size=7>わざと</font>私よりも少し下手なくらいまで上達させたから絶対大丈夫よね♪」 そう、うきうきしながら、成り行きを想像した。 「さ〜て。今日の晩御飯は二人のための特別料理としましょう♪」 そう言ってリプレは、上機嫌に買い物へと出かけていった。</font>