運命というものは、なかなか動いてくれない。 だが、一度動き出すと、今度はとどまることを知らない。 その運命が、今、再び動き出そうとしている・・・ サイジェントは今日もいい天気である。 南スラムにあるフラットのアジトには、今、リプレとカシスしかいない。 他のメンバーは、さまざまな理由で外出している。 リプレたちが掃除などひと通り終えて休んでるとき、事件の発端となったことが起こった。 「すみませ〜ん、手紙で〜す」 「手紙なんて珍しいわね」 手紙をとりに行こうとしたりプレをカシスが止めた。 「私が取ってくるから、リプレは休んでて」 そういってカシスが玄関に行くと、誰もいなかった。 「あれ?もしかして誰かのいたずらなの・・・ってこんなとこにあるじゃない」 カシスの足元―玄関のマットの上に封筒が置かれていた。 「まったく・・・急いでるのなら、それなりの断りぐらい入れてよね!!」 そう文句を言いながら封筒に目を落とした瞬間、彼女の表情が険しくなった。 「ちょっと待ってよ!!これって前にハヤトに教えてもらったハヤトの世界の文字じゃない!! あて先は・・・しん・・・どう・・・はや・・・と・・・ハヤト宛じゃない!!」 それが分かった瞬間、カシスはリプレにひと通り話してからハヤトのいるアルク川に走っていった。 カシスが手紙を手に入れたころ、ハヤトはアルク川でのんきに釣りをしていた。 「最近あんまり釣れないな。そろそろ魚たちも警戒し始めたのか?」 実際はハヤト達が食費がうくからといって魚を釣りすぎたために、このあたりの魚の数が減っているが、ハヤトはまだそのことに 気づいていない。 しばらくしてハヤトがうとうとしはじめた時、カシスがやってきた。 「ハヤト!!ちょっと大変だよ!!」 「うわ!!」 「もう寝てる場合じゃないって!!」 「おまえ、さっきの一撃結構食らったぞ・・・」 実は、ハヤトを呼んだと同時に一撃を加えていたのだ。 「そんなことどうでもいいって!!とりあえずこれを見て!!」 そういって、カシスは例の封筒を渡した。 「どうでもいいわけ・・・!!これって・・・一体どうしたんだ!!」 「それが、玄関に置かれていたの」 「中は見たか?」 「見てない。見つけてすぐに走ってきたから」 それを聞くと、ハヤトは封筒を丁寧に開けた。 すると、中から手紙と1枚の紙が出てきた。 それらには次のように書かれていた。 手紙 あたし、すばらしいたいようがしずんで、 あなた、よるのつきがひそかにのぼるとき、 こうみょうにやみにかくれていたしんじつが、 いま、ここに、たいこのすがたのままあらわれる。 紙 ○   ○                     ○   ○     ○ ○ ○○    ○ ○                 ○   ○               「これってもしかして・・・」 「暗号ってやつだな」 そういってハヤトは、釣具を片付け始めた。 この時、この2人の行動をずっと見ていた人物が二人いた。 「ねえ、もしあの暗号が解けなかったらどうするの?」 背の低いほうが聞いた。 「うむ、もう素質がないとしてこのまま終わるだろうな」 「そうなんだ、だったらちゃんと解いてほしいよ。でないと・・・」 そういって背の低いほうが振り返った。 「自分の出番がなくなっちゃうじゃない」 そこには、いたずらを考え付いた子供のような顔があった・・・ 続く